マルタンマルジェラと古着

マルジェラが打ち出した、「古着をサラ着にし、再び古着にする」という手法。僕はこれを相当にうまいやり方だと思います。
アーティザナルのペンキGジャンなんかがそう。古着にペンキを塗り商品にして、剥がれていく経年変化を再び楽しもうというわけ。
モードというかファッションが飽和状態にあって、ランウェイ自体にに斬新さを盛り込んだり、奇抜なデザインをひたすら打ち出したりするデザイナーがいる中で(もちろん仕立て以外の面でグラフィックに力を入れることは間違いではない)仕立ては野暮な古着、ペンキでカラーリングをして、モードに戦いを挑んだ。それが勝利した。
新しいカッティング、バランスを計算に計算してきたデザイナーたちは、デザインされていない服に負けてしまったのです。
古着には、それだけの魅力があった。
おそらく古着を文化として知らしめたのはマルジェラでしょう。
マルジェラは業界関係者ですら顔を合わせたことがある人が少なく、インタビュー等も現在FAXで行っています。
そんなのも謎めいていていいです。